2026-08-01|読了 約2分育成・評価組織設計
管理職が育たないのは、マインドの問題ではなく「制度」の問題
📗 SES経営のOS|育成・評価 第4講「管理職が仕事をやり切らない」「結局全部こちらに戻ってくる」——SES経営者から最もよく聞く悩みのひとつです。そして多くの会社で、この悩みは「管理職のマインドの問題」と診断され、研修や訓示が処方されます。
その診断、外れているかもしれません。人が動かないとき、原因の多くは心構えではなく、頑張っても報われない仕組みの側にあります。
「なりたくない」は合理的な判断かもしれない
いま管理職への昇進を打診すると、断る社員が珍しくありません。彼らの目に映っている管理職を書き出してみてください。
- 自分の案件を持ったまま、部下の面倒も見ている(業務は増えた)
- 手当は月数千円〜数万円。残業代が消えて実質減収のケースもある
- プレイヤーとしての成果は数字で見えるが、マネジメントの成果は評価項目に無い
- 部下の失敗の責任は取るが、部下の成功は部下の手柄(当然そうあるべきですが、ならば管理の成果はどこで測られるのか)
この条件で「なりたい」と思う方が不合理です。つまり「最近の若手は責任を負いたがらない」のではなく、割に合わないポジションを、合理的に避けている。マインドの問題に見えていたものは、制度の設計図の問題です。
経営者が確認すべき4つの設計
- 管理の成果が、評価項目に存在するか。部下の定着・部下の単価上昇・現場からの信頼——これらが数字として管理職の評価に入っていないなら、「自分の数字」を優先するのは当然の帰結です
- 兼務の限界を、経営が認めているか。プレイヤー100%の稼働のまま管理を「追加」していないか。管理に使ってよい時間を明示しない限り、管理は永遠に「夜の残り時間」でやる仕事になります
- 報酬が、責任の増分に見合っているか。手当の額そのものより、「昇進すると実質減収になる逆転」が起きていないかをまず点検してください。逆転が1件あるだけで、社内の全員がそれを見ています
- 孤独の逃げ場が、制度としてあるか。管理職同士が本音を話せる場(管理職会・社外メンター・経営との1on1)を作っているか。これは福利厚生ではなく、離職防止装置です
順番を間違えない
制度を直してから、マインドの話をする。逆にすると、研修は「経営の自己満足」として消費されます。まず設計図を直し、そのうえで「管理職とは、自分の成績を上げるゲームからチームで勝つゲームへの転向だ」と語れば、今度は言葉が届きます。
なお、現場のリーダー本人に向けた話は、エンジニア側に「リーダー・マネージャーのOS」としてまとめています。あなたの会社の主任に、そのまま渡せる形にしてあります。
自社の育成・評価がどの状態かを数字で見たい方は、3分の組織診断へ。診断結果の「育成・評価」のスコアが、この記事の裏付けになるか反証になるか、確かめてみてください。
この記事は役に立ちましたか?
この記事、誰かの顔が浮かびましたか
そのまま送れる文面です。LINEならワンタップ、SlackやDMには共有・コピーで。