SESOSc
2026-08-31|読了 約3分営業単価

新規開拓の成果は、1年遅れてやってくる

この記事はSES経営の話です。自社の現在地は、3分の組織診断で測れます。無料・匿名です。

営業の仕事は、成果が出るまでの時間が仕事ごとにまったく違います。ここを混ぜて評価されるのが、SES営業の消耗の大きな一因です。

3つの時計が同時に回っている

やること成果が出るまで
既存客への追加提案今月
既存客の別部署へ広げる3か月
新しい取引先の開拓早くて半年、たいてい1年

月次で評価する会社は、いちばん上の時計しか見ていません。だから開拓の種を撒いている期間、あなたはずっと「今月も成果が出ていない人」になります。「何の成果が出てるの?」と聞かれ続ける。

そして1年後、その客先に人が入り始めた頃には、それはもう当たり前の風景になっています。誰も「あれは種を撒いた人がいたからだ」とは言いません。

構造上そうなるのであって、あなたの努力が足りないからではありません。ここまでは、前の記事と同じ話です。

ここから、逃げずに書きます

仮に開拓が実って、その客先に何人も着任したとします。おめでとうございます。本当に、価値のある仕事です。

では、なぜ実ったのか説明できますか。

  • 何社にアプローチして、何社が返信したのか
  • 進んだ会社と止まった会社は、何が違ったのか
  • 決め手になった一手は何だったのか

説明できないなら、その成果は運と区別がつきません。

厳しい言い方ですが、実害があるので書きます。運と区別がつかない成果は、次の場所では使えません。「前職で新規開拓して、10人以上着任させました」と言っても、「どうやって?」に答えられなければ、面接官が評価するのは前の会社の看板の方です。あなたではなく。

「ほらみろ」で終わらせると、いちばん損をするのはあなたです。1年かけた仕事が、経験ではなく思い出になってしまう。

週5分で足ります

記録するのは3つだけです。凝ると続きません。

  • 会った会社
  • どの段階まで進んだか(名刺交換 → 面談 → 提案 → 検討 → 初回参画)
  • 止まったなら、その理由

月末に1行だけ足します。「今月、1段進んだのは何社か」。

これだけです。CRMも要りません。表計算でも、手帳でもいい。

これが効く場面は2つある

① 折れない

半年成果ゼロに見える時期に、「20社に会って、3社が検討まで進んでいる」と自分で確認できるかどうかで、続くかどうかが変わります。数字は、他人を説得する前に、自分を支えるために要ります。

② 再現できる

20社のうち3社だけが進んだ理由が、溜まると見えてきます。業種か、規模か、会った相手の役職か、紹介の有無か。それが分かった瞬間、次の20社は5社になります。これが型です。

型を持った営業は、環境が変わっても数字を作れます。持たない営業は、毎回また20社から始めます。

おまけ:議論の土俵が変わる

「成果が出ていない」と言われたとき、感覚で言い返すと感情論になって終わります。どちらが正しいかではなく、声の大きい方が勝つからです。

こう言えると、話が変わります。

今期は20社に接触して、3社が検討段階まで来ています。前期は接触18社・検討1社だったので、進捗は倍です。初回参画までのリードタイムは平均10か月なので、この3社は来期の数字になります。

相手が納得するかどうかは分かりません。でも、議論が数字の土俵に乗ります。土俵が変われば、少なくとも「気合が足りない」で終わることはなくなる。

同じことは、待機の話でもできます。「待機が出ている」と言われたら率にしてみてください。60人を見ていて待機1人なら98.3%です。この業界で98%は十分に高い。言いやすいことを言われているだけなのか、本当に問題なのかは、率にすると分かります。


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