「わがままなエンジニア」と思ってしまう自分に、気づいたとき
この記事はSES経営の話です。自社の現在地は、3分の組織診断で測れます。無料・匿名です。
最近、「わがままなエンジニアの営業なんてしたくない」と思ったことがあるなら。
その気持ちを否定しません。そう思わせる構造があるからです。ただ、その状態が続くと最終的に損をするのはあなたなので、見方を1つだけ足しに来ました。
なぜそう見えるのか
要望を受け取る窓口は営業です。しかし要望を叶える手札——単価に見合う実力、客先との関係の深さ、選べるだけの案件数——を持っているのは会社です。
手札が無いのに窓口だけをやると、断り続けることになります。そして人は、断り続ける相手を少しずつ嫌いになります。これは性格の問題ではなく、そうならないと持たないからです。
同じ景色を、違う方向から見る
いま見えているのは、たぶんこれです。
見方A:実力もないのに、要求ばかりしてくる人
もう1つの見方があります。
見方B:自分がいくらの人間なのかを、誰にも教わっていない人
エンジニアの多くは、自分の市場価値を知りません。会社は教えません(教えたら辞められると思っているからです)。現場の上司も知りません(相場を見る仕事ではないからです)。誰も教えないので、根拠のないまま要求するしかない。
「リモートがいい」と言う人は、リモートを選べる人の条件を知らないまま言っています。「上流に行きたい」と言う人も同じです。悪気があるのではなく、地図を持っていない。
そして——その地図を持っているのは、会社でただ1人、営業です。
見方が変わると、やることが変わる
「断る」から「値札を教える」に変わります。
その現場に入るには、この技術の実務が2年ぶん要ります。いまお持ちなのは半年ぶん。だから今回は出せません。ここを埋めれば、次は出せます。
これは断りではありません。地図を渡す行為です。しかも嘘をついていません。「あなたのわがままだ」でも「会社の方針で」でもなく、事実を言っているだけです。
これは優しさではなく、営業の利益
きれいごとに聞こえるかもしれないので、損得で書きます。
- 自分の実力が分かった人は、要求が現実的になります(叶えられない要望が減る)
- 埋めるべき場所が分かった人は、埋めます(放っておいて伸びる人はいません)
- 埋めた人は、単価が上がります
単価が上がれば、あなたの数字が上がります。つまり値札を教えることは、いちばん確実な仕入れです。他社から人を採ってくるより早くて、安い。
そのうえで、逃げずに書きます
これには前提があります。あなた自身が、相場を正確に知っていること。
「なんとなく高い・安い」では地図になりません。年齢別、技術別、商流の深さ別に、いまいくらで人が動いているか。言えますか。
言えないなら、エンジニアを「実力がないのに要求ばかり」と思う前に、同じことが自分に当てはまっていないかを見た方がいい。
相場を語れない営業と、自分の市場価値を知らないエンジニアは、同じ穴にいます。違うのは、営業の方は調べられる立場にいるということだけです。案件表も、他社の提示額も、断られた理由も、毎日目の前を流れている。見ていないだけです。
厳しい言い方をしましたが、ここは裏を返せば良い知らせでもあります。あなたが1週間本気で見れば、社内の誰も持っていない情報を持てます。 エンジニアにも、社長にも、無い情報です。
最後に
もし、本当に信頼し合えたエンジニアが1人でもいるなら——それが本来の形です。話が合う人が特別なのではなく、値札が見えている関係だから噛み合っているだけかもしれません。
全員がそうならない理由は、たいてい個人の性格ではなく、値札が誰にも見えていないことにあります。
自分の相場観を点検したい方は、単価の逆算と単価はどうやって決まっていたかから。会社としての現在地は3分の組織診断の「営業・単価」領域に出ます。
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