悪い報告が3日遅れる会社は、文化が壊れている
📗 SES経営のOS|企業文化 第2講自社の文化を測りたければ、アンケートより先に確かめるべき数字があります。
悪い知らせが、発生から経営者に届くまでの日数。
トラブル、遅延、顧客の不満、勤怠の乱れ。これが当日〜翌日に届く会社と、3日以上かけて届く会社では、同じ業態でもまったく別の生き物です。
遅延は、性格ではなく「学習」である
報告が遅れるとき、経営者は「あいつは報告ができない」と個人の資質のせいにしがちです。違います。報告の遅延は、ほぼ例外なく合理的な学習の結果です。
過去に悪い報告をした人が、何を経験したか。詰められた。犯人探しが始まった。評価が下がった。「で、どうするの」と丸投げされた。——この経験を一度でもすれば、次から最適な行動は「ギリギリまで自分で何とかする」になります。社員は賢いので、得をする行動を学習しているだけです。
3日の内訳は、だいたいこうです。1日目、本人が一人で抱える。2日目、同僚にこっそり相談する。3日目、もう隠しきれなくなって上がってくる。つまり遅延の原因は伝達経路ではなく、心理です。
SESでは、遅延が「最悪の形」で発覚する
客先常駐では、この問題が増幅されます。現場は物理的に遠く、隠すことが簡単だからです。そして隠された問題は、社内ルートではなく顧客経由で発覚します。
「御社の◯◯さんの件、聞いてますか?」——この電話で初めて知る。これが最悪の形です。問題そのものより、「把握していなかった」という事実が顧客の信頼を削ります。使う側の本音①で書いた「管理コストの高い会社」と認定される瞬間です。
直し方は3つ。すべて経営者側の行動
社員に「早く報告しろ」と言っても直りません。学習を上書きできるのは、経営者側の行動だけです。
- 悪い報告への最初の一言を固定する——「言ってくれてありがとう」。反射で顔をしかめる癖があるなら、この一言を先に言うと決めておく。内容への対処はその後でいい
- 報告者を絶対に処罰しない——処罰や詰めは「問題の原因」に対して行い、「報告した人」には行わない。この区別が崩れた瞬間、報告は止まります
- 会議の議題を「悪い報告から」始める——グッドニュースファーストをやめる。悪い話が最初に出る場を毎週作ると、「悪い話をしても大丈夫」が仕組みで担保されます
テスト
直近3か月の「悪い知らせ」を3つ思い出してください。それぞれについて——
- 発生から自分が知るまで、何日かかったか
- 誰経由で知ったか。本人か、同僚か、それとも顧客か
顧客経由が1つでもあれば、文化の警報はすでに鳴っています。企業文化の回に書いたとおり、文化は宣言ではなく反復で書き換わります。最初の反復は、次に悪い報告が来たときの、あなたの最初の一言です。
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