2026-07-26|読了 約2分採用数字
採用コストを1枚の表にする——感覚採用の終わらせ方
📗 SES経営のOS|採用 第1講SES経営者の悩みの第一位は、ほぼ間違いなく採用です。ところが「昨年、採用にいくら使って、何人入り、何人残っていますか?」と聞いて即答できる会社は驚くほど少ない。
悩みの第一位なのに、数字がない。これが感覚採用です。感覚採用の会社は、高いチャネルに払い続け、効くチャネルを放置します。終わらせ方は簡単で、1枚の表を作るだけです。
表の作り方:行にチャネル、列にファネル
| チャネル | 年間費用 | 応募 | 面接 | 内定 | 入社 | 1年在籍 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人媒体A | 240万 | 60 | 12 | 4 | 3 | 1 |
| エージェント | 300万 | 8 | 6 | 3 | 2 | 2 |
| リファラル(紹介) | 20万 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
| SNS・自社発信 | 0万 | 5 | 3 | 1 | 1 | 1 |
数字は例ですが、多くの会社で似た形になります。この表から2つの単価を出します。
- 入社単価 = 費用 ÷ 入社数
- 1年在籍単価 = 費用 ÷ 1年後に在籍している人数
本当の単価は「1年在籍単価」
上の例で計算すると、媒体Aの入社単価は80万円。悪くないように見えます。しかし1年在籍単価は240万円——入社した3人のうち2人が1年以内に辞めているからです。
採用の成果は「入社」ではありません。入社はコストの終わりではなく、育成投資の始まりです。だから割り算の分母は「入社数」ではなく「残って戦力になった人数」でなければならない。入社単価で見ると安いチャネルが、在籍単価で見ると最も高い——この逆転が、表を作る最大の収穫です。
表が教えてくれる打ち手
- 削る前に、寄せる——高いチャネルを闇雲に切るのではなく、在籍単価が低いチャネルに予算を寄せる
- リファラルは「仕組み」で増やせる——紹介インセンティブの金額よりも効くのは、社員が「うちに来なよ」と言える会社であることです。紹介が発生しない会社は、採用の問題ではなく幸福度の問題を抱えています
- ファネルのどこで漏れているかを見る——応募は多いのに面接に進まないなら求人票、面接から内定が出ないなら要件、入社後に辞めるなら受け入れと配属。漏れている段階によって、直す場所はまったく違います
最初の一手:過去1年分を、1時間で埋める
完璧なデータは要りません。請求書と入退社の記録があれば、上の表は1時間で埋まります。
そして埋めてみると、埋まらないセルが必ず出てきます。「この媒体経由の応募数、記録がない」「1年前の入社者の経路がわからない」——その空欄こそが発見です。数字がないところに、感覚採用が住んでいます。
採用が数字で運用されているかは、組織診断の採用領域で問うています。表を作った上で診断すると、自社の位置がよりはっきり見えるはずです。
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