一人の直訴は不満、三人の報告は事実——横の連帯の作り方
リーダーの孤独は役の仕様です。それは変わりません。でも、会社の中で何かを動かそうとするとき、孤独は気持ちの問題だけではなく、戦力不足でもあります。
一人のリーダーが上に伝えた問題は、「あいつの不満」として処理されます。同じ問題を、別々の現場の三人が、別々に報告したとき——それは初めて「事実」になります。
横は、ライバルではない
同じ階層のリーダーたち。評価で比べられることもあるから、つい距離を置きたくなります。でも彼らは、この会社であなたと同じ景色を見ている、唯一の人たちです。あなたの部下にも上司にも見えていないものが、横にだけ見えています。
作り方は、軽くていい
月に一度のランチでも、30分のふりかえり会でも十分です。ただしルールを2つだけ。
① 愚痴で終わらせない。愚痴は最初の5分で出し切って、そのあとは事実と数字を持ち寄る。「うちの現場でこれが起きた」「この数字がこう動いた」。愚痴の会は毎回少しずつ疲れて、自然消滅します。事実の会は資産が積もっていきます。
② うまくいったことも共有する。問題だけを持ち寄る会は重くなる一方です。「これをやったら回り始めた」を必ず一つ入れる。あなたの成功はほかのチームの処方箋になり、逆も起きます。これが続く会と続かない会の分かれ目です。
使い方——示し合わせず、揃える
会社に何かを伝えたいとき、口裏を合わせた集団直訴はやらないでください。それは「派閥」として処理され、警戒だけが残ります。
やることは逆です。それぞれが、自分の現場の事実を、自分の言葉で、自分の上司に報告する。本当に起きている問題なら、複数の現場で同時に観測されているはずです。別々の経路から同じ報告が上がってきたとき、上は初めて「これは個人の不満ではなく、構造の問題だ」と認識します。これは政治工作ではありません。事実の可視化です。
横の連帯は、会社の外まで続く資産
社内の横だけでなく、社外の横——他社で同じ役をやっている人も、同じ景色を見ています。そして社外の連帯は、転職しても消えません。キャリアを通じて、リーダー同士のつながりはあなたの資産であり続けます。
リーダー・マネージャーのOSの三行のところに「この7日間に、何人のリーダーがここで三行を書きました」と出ることがあります。あれは、この思想です。あなたひとりではありません。まず社内にひとり、同じ景色の人を見つけるところから。
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