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🏢 経営向けの記事

2026-09-29|読了 約2分

辞めない人を採るより、辞めたくならない会社を作る

採用面接の定番の関心事に「この人は長く働いてくれるか」があります。転職回数を数え、「腰を据えて働きたいです」の言葉に安心する——率直に言って、これは幻想です。定着は個人の資質ではなく、環境の関数だからです。同じ人が、ある会社では3年で辞め、別の会社では10年働く。変数は人ではなく、会社側にあります。

採用でできるのは「ミスマッチの回避」まで

面接で見抜けるのは、長く働く人かどうかではなく、自社と噛み合わない人かどうかです。文化の質問(「前職で一番許せなかったことは?」)で価値観の衝突を避ける。仕事内容と条件を盛らずに伝えて、期待値のズレを作らない。——ここまでが採用の守備範囲で、これ以上を面接に求めると、転職回数のような雑なシグナルに頼った雑な判断になります。

定着を作るのは、入社後の3つの装置

1年在籍するかどうかは、入社後90日でほぼ決まります。効くのは歓迎会の熱量ではなく、装置です。

  1. オンボーディングの30日——「最初の30日」の1枚。放置されなかった、という最初の体験
  2. 月1の1on1——放置の構造を断つ定例。特に常駐開始後の最初の3か月
  3. 選べる仕組み——エンゲージメントの正体。案件の2択、キャリアの反映、給与の透明性

採用コストの1枚表で「1年在籍単価」を出した方は気づいたはずです——在籍単価を動かす一番大きな変数は、採用チャネルではなく受け入れ体制です。同じ媒体から採っても、装置のある会社とない会社で定着率は倍違います。

蛇口と栓

採用は蛇口、定着は栓です。栓が抜けたまま蛇口を強くひねる——採用費を増やし、エージェントを追加し、それでも人が増えない会社の浴槽はこの状態です。そして辞めてほしくない人のサインは、栓の緩みの最終警報です。

順序を間違えないでください。先に栓(定着の装置)、それから蛇口(採用投資)。診断で言えば、Q5(採用)の前にQ3・Q11・Q12が赤くないか——組織診断(14問・3分)は、その順序で自社を見るための計器盤です。