SESOSe

🏢 経営向けの記事

2026-08-03|読了 約2分

派遣でやってはいけない3つの線——許可・事前面接・二重派遣

「うちは全員正社員を客先に出しているから、労働者派遣の許可はいらないと聞いた」——同業の社長からこう相談されたら、その理解はどこかで止まったままです。派遣にまつわる線は、SESの日常的な慣行のすぐ隣にあります。

1. 許可はもう「届出」では済まない

労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。2015年の法改正で、届出だけで足りた特定労働者派遣事業は廃止され、すべて許可制に一本化されました。経過措置もとうに終わっています。

許可の要否を決めるのは雇用形態ではなく、その行為が労働者派遣に当たるかどうかです。正社員だけを送っていても、指揮命令が客先に移っていれば労働者派遣であり、無許可なら違反になります。「正社員だから届出でいい」は、いま口にすると危ない認識です。

2. 「顔合わせ」という名前でも、選考は選考

新しい客先から「配属前に一度、顔合わせと称して候補者と面談したい」と頼まれることがあります。労働者派遣法は、派遣先が労働者を特定することを目的とする行為を、原則として禁じています(紹介予定派遣は例外)。

「スキル確認に限定する」「顔合わせという名称にする」は、呼び方を変えても実態は選考です。 そもそも準委任なら、客先が候補者を選ぶ工程は本来存在しません。顔合わせと呼びながら選考をしているなら、それは契約の形と実態が食い違っているサインです。

3. 業務委託と書いても、人を右から左に回せば二重派遣

派遣で受け入れた人を、さらに別の会社へ派遣することは職業安定法44条が禁じる労働者供給に当たります。ここで見落とされやすいのは、契約書を業務委託の形にしても、実態が人を回しているだけなら同じ問題になるということです。

多重下請けは商流が深いほど、どこかで線を越えている確率が上がります。自社が何次にいて、下に誰がいるかを把握していないこと自体が、すでにリスクです。契約を結ぶ前に、送り出す人が実際にどこで誰の指揮のもとで働くのかまで確かめておくことが、事故を未然に防ぐ唯一の手になります。

自社の現場が3つの線のどこかに近づいていないか、偽装請負セルフチェックで突き合わせてみてください。判定基準そのものはこちらの記事で整理しています。自社の状態は組織診断から。

2026年8月時点の制度に基づいています。実際の判断は、専門家の助言の代わりにはなりません。