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見積りは、なぜいつも遅れるのか
3ヶ月で見積もった作業が、なぜかいつも3ヶ月ぴったりか、それ以上かかる——気合や本人の見積り能力の問題だと思っていませんか。実際には、2つの構造が重なって起きています。
見積りは、放っておくと必ず楽観に寄る
作業を自分で分解して積み上げる見積り方は、「うまくいく前提」で計算しているぶん、どうしても楽観的な数字になります。トラブルや仕様変更、他タスクとの競合は、分解の中には入ってきません。これを防ぐ有効な手は、内側からの積み上げではなく、外側から見ることです。「前回、似た規模の要員がこの現場に立ち上がるまで何日かかったか」を実績から見る方が、当人の感覚より当たります。要員の立ち上がり期間を聞かれて感覚で答えるのをやめ、前回の実績を出す——それだけで提案の説得力が変わります。
余裕を渡すと、余裕のぶんだけ使われる
もう一つの理由は、渡した時間の使われ方です。仕事の量は、与えられた時間をすべて満たすまで膨張していきます。見積りにバッファを積むほど、そのバッファは静かに使い切られ、結局ぎりぎりで終わるか超過します。効くのは期限を刻む方で、「3ヶ月かけて改善する」より「2週間ごとに進捗を見せる場を作る」の方が、実際には早く進みます。
二つが重なると、遅れは二重に積み上がる
見積り自体がすでに楽観に寄っている上に、渡した時間は全部使われる——この二つは別々の原因ですが、現場では同時に起きます。だから「余裕を持たせたので大丈夫です」という報告は、実はいちばん危ない報告かもしれません。
主任・課長がやること
- 見積りを聞くとき、「前回の類似案件では何日だったか」を必ず一緒に聞く
- 大きなバッファを一括で渡さず、短い区切りで進捗を見せる場を作る
- 「余裕を持たせた」という説明を、そのまま鵜呑みにしない
見積りが外れるのは能力の欠陥ではなく、誰にでも起きる構造です。責めるより、聞き方と渡し方を変える方が早く直ります。
自分の見積りの取り方を整理したい方は3分の自己診断へ。判断の型を増やしたい方はリーダー・マネージャー向けの問題集、新しい現場の立ち上がりについては新しい現場の最初の1週間で、その後の半年が決まるも参考になります。