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2026-07-11|読了 約2分

「せっかく育てたのだから」を、疑う

「2年かけて育てたメンバーだから、この現場から動かせません」——その気持ちは分かりますが、その2年は、動かしても動かさなくても、もう戻ってきません。

戻らない金は、判断材料にならない

すでに使ってしまった時間や費用は、これから先の決定に影響させるべきではありません。「せっかく」は、判断の言葉ではなく感情の言葉です。2年育てたのだから、投資した分だけ回収するまでは続ける——この考え方は自然ですが、2年はもう戻らない以上、これから先に何を得られるかだけで決める方が結果的に正しい判断になります。感情としては手放しにくいので、判断の場で「これは過去の話なので今回の検討からは外します」と、あえて声に出して切り分けるのが有効です。

帳簿に出ない損失——機会費用

もう一つ、見えにくい形で効いてくる考え方があります。ある選択をしたために、選ばなかった案から得られたはずの価値のことです。単価60万円の現場に人を置き続ける判断は、実は80万円で出せたはずの案件との差、20万円を毎月払い続けているのと同じことになります。稼働率100%が、常に良い状態とは限りません。空きを恐れて安い現場を埋めた結果、より良い案件を逃す方が、実は損が大きいことがあります。

二つは、同じ場面で一緒に起きる

サンクコストに引きずられて配置換えをためらうと、そのまま機会費用を垂れ流し続けることになります。過去に投じた分を惜しんで動かないことが、これから稼げたはずの金額を毎月失うことに直結する——この二つは別の理論ですが、現場ではセットで起きます。

主任・課長がやること

  1. 継続を判断するとき、「すでに投じた分」を意図的に会話から外す
  2. 「これから先の1年で何を得られるか」だけを比較材料にする
  3. 稼働率を埋めることが常に正しいとは限らないと知っておく

自分の判断がどちらに引っ張られているか整理したい方は3分の自己診断へ。判断の型を増やしたい方はリーダー・マネージャー向けの問題集、待機の期間の見方を数字で確かめたい方は待機コスト計算機も使ってみてください。