🧑💻 エンジニア向けの記事
指標を目標にした瞬間、その指標は壊れる
「稼働率は98%です、目標達成です」と報告した月に限って、単価の安い現場に無理やり人を突っ込んでいた——心当たりのある方は、少なくないはずです。
測られる側は、必ず数字を上げる方法を見つける
指標というものは、目標にした瞬間から性質が変わります。追われている本人は、指標そのものを良くするのではなく、指標の数字だけを上げる一番楽な方法を見つけてしまうからです。稼働率を追えば単価の低い現場でも空けずに埋めますし、資格取得数を追えば難易度の低い資格に人が流れます。これは怠けているのではなく、与えられたルールに対して合理的に動いた結果です。
指標を捨てず、目的を一緒に置く
だからといって指標を無くせばいいわけではありません。数字が無ければ、進んでいるかどうかすら分からなくなります。効くのは、指標に対をなすブレーキ役をもう一つ添えることです。稼働率だけでなく平均単価も一緒に見る。資格取得数だけでなく、その資格が実務でどれだけ使われたかも一緒に見る。片方だけを上げても、もう片方が落ちていれば全体としては前進していないと分かります。
効くところは、たいてい偏っている
もう一つ、現場で見落としやすい前提があります。障害の大半は一部の箇所から生まれ、離職の大半は一部の現場から生まれる——原因は均等に散らばっていないということです。全案件を平らに見直そうとすると時間ばかりかかり、結局どこも変わりません。先に「どこが効いているか」を絞り込む方が、同じ労力で結果が出ます。
主任・課長がやること
- いま追っている指標が「何のため」かを一言で言えるか、自分に確認する
- その指標に対して、逆向きに働くブレーキ役の数字を一つ添える
- 数字が良い月ほど、裏で何を犠牲にしたか本人に聞いてみる
- 問題を全体に薄く広げず、まず数の偏りがどこにあるかを見る
数字を追うこと自体は間違っていません。追い方が、いつのまにか目的とすり替わっていないかを、定期的に見直すだけです。
自分のチームの指標が本来の目的とずれていないか整理したい方は3分の自己診断へ。判断の型を増やしたい方はリーダー・マネージャー向けの問題集、評価の見せ方を見直したい方は評価は「上げてもらう」より「見えるようにする」ものも参考になります。