SESOSc

🧑‍💻 エンジニア向けの記事

2026-08-14|読了 約2分

「起きた事実」と「自分の解釈」を切り分ける——色眼鏡の外し方

「現場で怒られた。自分はこの仕事に向いてない」——この一文には、事実と解釈が混ざっています。事実は「指摘を受けた」まで。「向いてない」は、あなたの脳が自動で付け足した解釈です。

人は誰でも、思考のクセ=色眼鏡をかけています。外せとは言いません。かけていることに気づけるかどうかで、キャリアの苦しさが大きく変わります。役職も年次も関係なく効く、地味で強い基礎体力の話です。

ステップ1:自分の「自動思考」に気づく

嫌なことがあった時、頭に最初に浮かぶ文章があります。「また自分のせいにされた」「あの人は自分を評価していない」——それが自動思考です。浮かぶこと自体は止められません。浮かんだ文章を、一歩引いて観察できるかが分かれ目です。

練習法はひとつだけ:書き留める。「起きた事実」と「自分がどう解釈したか」を分けて書く。書くと、混ざっていた2つが物理的に分かれます。SESOSの処方箋で「書きとめ」を大事にしているのは、これが理由です。

ステップ2:解釈に「対案」を出す

事実に対して、最初の解釈以外の読み方を1つ作ってみます。

  • 事実:レビューで細かい指摘が10件ついた
  • 解釈A(自動):「嫌われている」「仕事ができないと思われた」
  • 解釈B(対案):「辞めてほしい人に、人は10件も指摘しない」

どちらが正しいかは、この時点では決めなくていい。一つに決めつけない余白を持つことが目的です。「一瞬こう思ったけど、ちょっと待てよ。こういう見方もあるか」——この2秒が入るだけで、感情に飲まれて送る深夜の退職メールが、世界からかなり減ります。

ステップ3:それでも残るものが「自分軸」

事実と解釈を分け、対案も検討し、それでも「やっぱり自分はこう思う」と残るもの——それがあなたの自分軸です。周囲の評価や現場の空気に流されての選択ではなく、自分の感情と思考に耳を澄ませた上での選択なら、結果がどうであれ納得できます。

キャリアの後悔は、選択の失敗からではなく、「流されて選んだ」という感覚から生まれます。逆に言えば、この3ステップを回している人は、同じ選択をしても後悔しません。

リーダーになる人へ

この技術は、チームを持つと二重に効きます。部下の報告にも、事実と解釈が混ざって届くからです。「A社の担当が怒ってました(解釈)」を「何があったの?(事実の確認)」と受け止め直せるリーダーは、伝聞で意思決定を誤りません。

そして何より——自分の機嫌を観察できる人だけが、チームの空気に責任を持てます。


いまの自分の色眼鏡がどんな形か、3分の自己診断が言語化の入口になります。書き留める場所はあなたの年表に。